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第28回

奨励賞

日本橋ダイヤビルディング

建物名称 日本橋ダイヤビルディング
所在地 東京都中央区日本橋一丁目 19 番 1 号
建築主 三菱倉庫株式会社
設計 株式会社三菱地所設計(意匠・設備) 株式会社竹中工務店(意匠・設備・構造)
設計監理 株式会社竹中工務店
施工 株式会社竹中工務店
主要用途 事務所
面積 建築面積 2,518.00m² 延床面積 30,029.44m²
階数 地上18階、地下1階
最高高さ 89.9m
構造 S造、RC造、SRC造

日本橋ダイヤビルディングは、地上7階床下に免震層を有する中間層免震の地上18階建のオフィスビルである。東京都中央区日本橋に位置する三菱倉庫江戸橋倉庫ビルの再開発計画で、既存建物(昭和5年竣工)は、「東京都選定歴史的建造物」に選定(2007年3月)されており、この地の特徴的な景観要素となっていることや、本計画の開発手法として特定街区により容積割増を受けていることから、「既存建物と超高層建物の共存、共 生」をテーマとしている建築物である。

本建物は、建物高さ90m未満という高さ制限を受けているが、その条件下で必要延床面積を確保するためには、新築超高層部分での1フロア当りの面積を拡大する必要がある。一方で、「既存建物を広範囲に保存すること」も必須条件であり、かつ6階建の既存建物架構に超高層部分を支持させることはできない。そこで本建物の上部架構には、屋上に配置されたハットトラスと免震直上階に配置されたアンダートラスから構成される「オーバーハング架構」を採用し、上述の課題を解決した。また、通常の設計手法であれば、既存建物残置部分と新築部分をEXP.Jにて縁切りすることにより、それぞれを構造的には、独立した建物として設計を行うことが一般的であるが、その場合には、建築計画上、様々な制約条件が課されてしまう。そのような制約条件なしに、限られたスペースを有効に利用するため、本計画では、下部構造においては、「既存部と新築部を構造的に一体化する」ことでEXP.Jを必要としない建物としている。

「オーバーハング架構」を有する上部構造と「既存部と新築部を構造的に一体化する」下部構造をそのまま連結してしまうと、上部下部それぞれにおける様々な設計クライテリアを満足することが難しい。そこで「中間層免震」にて両者を連結することにより、上部下部共に地震時の応力負担を低減し、安心・安全な構造計画を無理なく成立させている。本建物は、上述した様々な課題を、中間層免震をはじめとした構造技術で解決した【既存建物と一体化した中間層免震超高層オフィスビル】という革新的な建物といえる。

浜田 勇気

/ 生年月日 /
1978年8月10日(長崎県生まれ)
/ 出身校 /
京都大学大学院
工学研究科建築学専攻 修了
/ 主要職歴 /
2003年 株式会社竹中工務店 入社
/ 主要作品 /
日本ビルディング浜町ビル / 霊友会弥勒山平成の大改築

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